平成10年に和歌山市園部の夏祭り会場で発生した毒物カレー事件で、再審請求中の林眞須美死刑囚(55)が、担当する裁判官3人の交代を求めた「裁判官忌避(きひ)申立」について、林死刑囚の弁護団は22日、最高裁判所に21日付で特別抗告を申し立てたことを明らかにした。
裁判官忌避の申し立ては、林死刑囚が和歌山地裁にことし1月16日付で行ったが、同20日に地裁は申し立ての却下を決定。弁護団は同25日に大阪高裁に即時抗告の申し立てを行ったが、高裁は地裁の判断を支持し、2月15日に即時抗告を棄却した。
今回の最高裁への申し立て書では「新規にして明白な証拠である河合潤教授(林死刑囚の有罪の根拠となったヒ素を再鑑定した)を証人請求しているにもかかわらず、何らの正当な理由を示すことなく、これを採用しない」とし、「憲法が定める刑事司法に関する規範に違反しており、これは『不公平な裁判をする虞(おそれ)があるとき』に該当する」などとして、高裁決定の破棄と、忌避申し立てを認めるよう求めている。