取引先の業者を装い、工場などで勝手に消火器を集めて交換し、代金を請求する悪質訪問販売とみられる事案が和歌山市内の事業所で確認された。
事案は今月13日、市内に工場がある事業所で起きた。「なにわ」ナンバーの車で来た男3人が、従業員に対して、顔なじみのように慣れた様子で工場内に入り、通常10年程度使用期限があるにもかかわらず、まだ4、5年しか経過していない消火器を1カ所に集め始めたという。同事業所では工場内に入る際、業者にもヘルメット着用を徹底してもらっているが、男らはヘルメットをかぶらずに作業を進めたため不審に感じ、20本程度集めたところで作業を中止させ、身分証提示などを求めたことで帰ったという。
消費者からの商品購入などのトラブル相談を受け付けている市消費生活センターによると、消火器販売などに関連した消費者相談は年間数件程度だが、相談が寄せられるという。通常1本当たり2000~3000円程度の消火器を2~3万円で販売するケースという。事業所の場合は、不本意な契約をしてしまったときに、契約を解約できるクーリング・オフ制度が適応されないため、十分な注意が必要という。同センターは「販売契約は口約束でも成立するので、業者とのやり取りを専任担当者に1本化するなど、情報共有や対策を取っておくことが大切」と注意を呼び掛けている。