岩出署は8日、架空の訴訟を解決する名目で、和歌山県岩出市内の70代女性が305万円をだまし取られる特殊詐欺事件が発生したと発表した。
同署によると、7月18日、女性の自宅に「民事訴訟最終通知書」などと書かれたはがきが届き、内容を信じた女性は記載された電話番号に連絡したところ、担当者を名乗る男から弁護士の連絡先を紹介された。
教えられた番号に電話をすると、弁護士を名乗る男から「訴訟相手が東京地裁にあなたを訴えており、弁済供託金5万円が必要なので、コンビニからビットキャッシュで支払ってほしい」などと言われ、女性は同市内のコンビニで、プリペイド型電子決済で5万円を支払った。
さらに、同じ男から「訴訟相手との裁判取り下げ費用の300万円を立て替えて入金する。箱詰めして私の上司の自宅に送ってほしい」と持ち掛けられ、女性は指定された神奈川県内の住所に現金300万円を送金してしまった。
その後、同じ男から「後日、自宅に和解成立書が届く」と言われていたが届かなかったため、家族に相談して被害に気付いた。
同署管内では、ことし初めての特殊詐欺被害の発生となったが、8日現在で詐欺に関する相談は約50件寄せられており、同署は注意を呼び掛けている。