紀美野町発注の橋修繕工事の入札で業者に最低制限価格を教えたなどとして、官製談合防止法違反などの罪に問われた元町建設課長の井村本彦被告(59)=岩出市=と、公契約関係競売入札妨害罪に問われた建設会社元社長の赤井登被告(58)=有田川町=の初公判が24日、和歌山地方裁判所(小坂茂之裁判官)で開かれ、両被告は起訴事実を認めた。検察側は井村被告に懲役1年6カ月、赤井被告に懲役1年を求刑し、即日結審した。
起訴状などによると、昨年10月に行われた町発注の黒沢橋修繕工事の指名競争入札を巡り、井村被告は赤井被告に事前に最低制限価格860万5000円を携帯電話で教え、落札させたとされる。
検察側は冒頭陳述で、井村被告が入札前に赤井被告に最低制限価格を教えていた回数は20回前後に及んだとし、適正な入札を保持しなかった責任は重いと指摘。弁護側は、井村被告がすでに懲戒免職処分となるなど社会的制裁を受けているとし、執行猶予付きの判決を求めた。
判決公判は7月8日に行われる。