和歌山北署は29日、トラブル解決を名目とする架空請求詐欺で、和歌山市の80代女性が2回に分けて計1500万円をだまし取られる被害が発生したと発表した。
同署によると6月下旬、「防犯協会のアキヤマ」と名乗る男から女性宅の固定電話に「詐欺の取り締まりをしているが、あなたの名前が4社の資料に載っている。被害の恐れがあるので削除した方がいい」などと電話があり、女性が削除を依頼。再度「アキヤマ」からの電話で「3社は削除できたが『KKきずな』は会員登録されている。あなたを削除する代わりに誰かを登録しなければならないが、東京ボランティアのカモシタに頼んだ」などと言われた。その後、「カモシタ」と名乗る男から「削除手続きは私が全てします」などと電話があった。
後日、「KKきずなのモリタ」と名乗る男から「カモシタがあなたの名前で放射能除去装置を購入した」などと電話があり、女性がキャンセルを申し出ると、「あなたの行為は詐欺に当たる」などと言われ、民事事件の保釈金や示談金として現金を要求された。女性は7月12日に1000万円、同23日に500万円を自宅近くに取りに来た男に手渡してしまったという。
女性から相談を受けた親族が不審に思い、110番通報したことで、高額特殊詐欺被害の認知に至った。