外国人観光客が増加するなど、観光地としての今後の期待が高まる和歌山市のぶらくり丁などで、まちの印象を損ねる落書きが増えている。一部の落書きは、独自のマスコットを人目にふれさせることで、自己主張をしているとみられるが、管轄の和歌山西署は「イタズラでは済まない」と、悪質な行為に厳正に対処する構えをみせている。
同様の落書きは数年前から見られるようになり、現在も継続して行っているとみられ、同市内の他、大阪府岬町でも確認されている。いずれも絵柄が似ているため、同一人物による可能性が高い。
落書きは、安易なイタズラ心による行為であっても、刑法に抵触する恐れがある。ただ、告訴がなければ捜査できない親告罪のため、同署は「犯行を見掛けた際は、すぐに110番通報するか、警察に被害届を出してもらいたい」と呼び掛けている。
落書きにより逮捕に至った県内の事例としては、先月23日、JR和歌山駅付近の歩道上に設置された看板に、フェルトペンで落書きをしたとして、当時35歳の男が器物損壊容疑で逮捕された。犯行を目撃した和歌山東署員による現行犯逮捕のケースだった。
また、平成26年7月には、和歌山城で、人が階段をよじ登っているように見えることで知られる木の根付近の石段に、自分と好きな女性タレントの名前を落書きをしたとして、当時38歳の男が文化財保護法違反容疑で逮捕されたケースがあった。