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Channel: 事件・事故 | わかやま新報
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無届で風邪薬成分に中国製混ぜる 山本化学

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 風邪薬の主要成分である解熱鎮痛剤のアセトアミノフェン(AA)を製造している医薬品原料メーカー、山本化学工業㈱(和歌山市舟津町、山本隆造社長)が、製薬会社に出荷するAAの中に中国製AAを無届けで混ぜていたことが分かった。医薬品医療機器法(薬機法)違反に当たるとして、県が処分を検討している。

 AAは熱を下げたり痛みを緩和したりする効果があり、副作用も少ないことから、市販されている多くの風邪薬に使われている。同社が製造したAAを製薬会社が調合し、風邪薬がつくられる。

 同社は米国産の原料などを使い、同市内の工場でAAを製造。中国から安価なAAを輸入し、自社で製造したAAに混ぜて出荷していたとみられる。

 薬の製造方法や使用する原料については、独立行政法人「医薬品医療機器総合機構(PMDA)」に届け出て審査を受ける必要があるが、同社は中国製AAの混入を届け出ていなかった。

 5月に厚生労働省が立ち入り調査を行い、同社は現在、AAを含む全製品の出荷を自粛している。

 県薬務課によると、製造方法を届け出ていなかった今回のようなケースでは一般的に、改善命令を出す他、製造管理者の変更や業務停止を命じることがあり、悪質の程度が高いと判断した場合は製造許可を取り消すこともあるという。

 国内でAAを製造しているのは同社を含め2社しかなく、同社は国内シェアの約8割を占めている。わかやま新報の取材に対し同社は「社長が不在のためコメントできない」としている。

山本化学工業の本社

山本化学工業の本社


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