和歌山県和歌山市鷺ノ森の市立伏虎義務教育学校で、昨年度当時小学3年生の男子児童に対し、担任の30歳代男性教諭による不適切指導があったことが分かった。
市教育委員会や保護者らによると、男児は1時限の授業中に複数回トイレに行きたいと訴えたが、男児は1度トイレに行っていたため教諭は「今行ったばかりやろ」とトイレに行かせなかった。男児はその後、心因性頻尿の診断を受けた。
保護者によると、心因性頻尿になる前から男児に吃音などの症状も出始めたが、当時は原因が分からなかった。心療内科を受診した結果、男児は心身症と診断され、学校からの連絡にも怖がるようになり、2学期から学校に通えない状態が続いた。
ことし2月に学校側と保護者による話し合いの場が設けられ、男性教諭は、トイレに行かせなったことが何度かあったこと、男児の学校での行動をデジタルカメラで撮影したこと、教室の前方で授業を受けさせようと机を引っ張ったことなどを認めた。男児は担任が代わり本年度から登校を再開したが、1年前の記憶を思い出して不安に陥ったり、カメラを向けられると逃げ出したり、不安定な状態が続いているという。
市教委では、生徒一人ひとりへの配慮が欠けた指導だったとして男性教諭に対し口頭で厳重注意とした。男性教諭は反省しているという。また、同校は「注意を受け止め、対応していく」とした。
男児への謝罪について市教委は「保護者と男児が受け入れてくれるのであれば直接でも、書面でも謝罪をしたい」としている。一方、保護者は書面での謝罪とともに厳重注意より厳しい処分を求めたいとしている。