和歌山県は6月29日、県庁内で女子トイレを盗撮したとして逮捕、起訴された県秘書課主査、今井宏和被告(37)と、酒気帯び運転をしたとして逮捕、略式起訴された紀北家畜保健衛生所の女性主査(50)の2人を、懲戒免職処分とした。
同日、県が記者会見し、県民に陳謝するとともに、経緯を説明した。
今井被告はことし3月25日と28日、県庁内の女子トイレに侵入し、小型カメラを設置して女性2人を撮影した建造物侵入と県迷惑防止条例違反(盗撮)容疑で県警に逮捕され、起訴されている。
県監察査察課によると、聞き取りに対し今井被告は、2013年から県庁の女子トイレに侵入するようになり、その後、個室ののぞき見、デジタルカメラでの盗撮、小型カメラの設置と行為がエスカレートしていったと説明。県庁外の駅やスーパーでも女性のスカート内を盗撮する行為を繰り返していたと話し、常習性、悪質性が高いとして県は懲戒免職を決めた。
盗撮を繰り返した理由については「残業が多く、ストレスを抱えていた。盗撮すると気持ちがスカッとして快感を覚えた。その後は罪悪感もなく、まひしていた」と説明し、「今は申し訳ない気持ちでいっぱい。逮捕されたよかったと思う」と話しているという。
女性主査は5月13日、和歌山市内の自宅近くのコンビニエンスストアで缶酎ハイ350㍉㍑を買い、乗用車内で飲んだ後、自宅まで運転した酒気帯び運転容疑で現行犯逮捕。和歌山区検察庁で略式起訴され、30万円の罰金刑を受けた。
同課の聞き取りによると、19年4月からことし4月までの間に、同様の方法で飲酒後に車を運転して帰宅したことが6回程度あり、18年7月から19年3月の間には、通勤途中のコンビニで缶酎ハイを買い、職場近くの駐車場で飲んだ後、歩いて出勤する行為も9回程度していたという。
14年1月には、勤務日の休憩時間に飲酒し、訓告処分を受けており、飲酒運転の常習性、過去にも飲酒に関する処分歴があることなどを勘案し、県は懲戒免職処分とした。
女性主査は「精神的な問題でイライラすることが多く、辛抱できないときに飲酒していた。認識が甘かった」と話しているという。
管理監督責任として、県は紀北家畜保健衛生所の現所長、前所長の2人を厳重注意とした。