成人式会場で新成人の男性に暴行して大けがをさせたとして、和歌山東署は11日未明、同じく新成人で和歌山市粟の建築作業員、川口智暉容疑者(20)を傷害容疑で逮捕した。
同署によると、川口容疑者は10日午後2時30分ごろ、成人式「市はたちのつどい」が行われた同市手平の和歌山ビッグホエール南側で、同市の建築作業員男性(20)の顔を瓶で殴り、倒れた男性の頭を蹴るなどの暴行を加え、急性硬膜下血腫などの大けがを負わせた疑い。
目撃者が通報し、男性は市内の病院に搬送された。川口容疑者は容疑を認めているという。
現場にいた人によると、署員が到着後も新成人の男女数人が口論し、もみ合いのような状態が続いた。その後、署員が周辺に規制線を張って現場検証を実施。華やかな成人式は一変、物々しい雰囲気となった。
式は午後1時から2時半まで行われ、新成人3537人のうち1968人が参加。式典前後の会場付近は、一部の新成人が一升瓶や缶ビールを手に酒を飲む姿が見られるなど、荒れた雰囲気が漂っていた。
同市の成人式では昨年も、会場付近に改造バイクで現れた紀の川市貴志川町の男(当時35)が職務質問した同署員の胸を突き飛ばし、公務執行妨害容疑で現行犯逮捕される事件が発生していた。
事件を受け、仁坂吉伸知事は12日の定例記者会見で、「成人式はもっと、成人たる者の覚悟を心の中に置くようなものでなければいけない。いまは仮装行列のコンクールみたいになってきており、考え直す時期にきている気がする」とコメントした。
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規制線が張られ騒然となった現場付近