和歌山市水道局で発生した同僚への暴行や脅迫、贈収賄の各事件に関連し、市は12日、市民の信用を著しく失墜させたなどとして、同局給水営業課の男性技術副主査(34)を、懲戒免職の処分にしたと発表した。同日付。
市によると、元技術副主査は昨年9月下旬、管路整備課内で、拳で同僚職員の左上腕部を数回殴る暴行を加え、ことし2月中旬から下旬ごろ、同職員に対し、手に持った千枚通しを突き付けて脅迫するなどしたとされる。
また、自身が担当する水道工事の受注業者から、工事の監督などについて、有利かつ便宜な取り計らいを受けたことにする謝礼や、今後も同様の便宜を受けたいとの趣旨と知りながら、昨年1月27日ごろ、同業者の役員を介して現金30万円を受け取ったとされる。
市の事情聴取に対し、元技術副主査は、暴行事件(ことし3月24日起訴・罰金40万円の略式命令)については、「悪ふざけでやったが本人が深刻に思っていたなら申し訳ない」、贈収賄事件(捜査中)に関しては、「生活に余裕がなかったので、金をもらった」と、両事件の処分事由について認めたという。
市は、両事件を受けて男性に対しての管理監督責任として、事件当時の上司に当たる課長、副課長、班長の計6人を、戒告や訓告の処分にした。
市は今後、再発防止策として今月15、16日、主務班長以下約150人を対象に、外部講師を招いた収賄防止の再認識などを中心とした、公務員倫理研修を実施する他、工事の現場監督体制や業務のチェック体制の見直しなどの改善強化、職場での相談体制の充実を図る。