育友会費を私的に流用したとして、和歌山市教育委員会は20日、市立和佐幼稚園の服部始代(ともよ)教頭(54)を懲戒免職処分にしたと発表し、陳謝した。
発表によると、服部教頭は2019年5月から20年3月にかけて、会計処理を担当していた同園育友会の会費、教材費、給食費から焼きそばやイクラ丼、缶チューハイなどの食料品、ペット用品など私的な物品を購入し、21回にわたり計9万903円を横領していた。
服部教頭はことし7月、実際と異なる出張旅費の書類を作成し、3万8380円を不正に受給していたとして、減給処分となった。これを受け8月、育友会が会計処理の確認を園長に申し出、調べたところ、明細が切り取られた不審な領収書などが見つかり、不正が判明。9月下旬に市教委に連絡があり、市教委が詳細を調査していた。
服部教頭は育友会の物品と私物を一緒に購入しており、市教委の調査に「別々に購入して会計処理をするのが面倒だった」などと説明。園内のウサギ小屋の撤去や樹木の伐採への支出の際、残金を育友会の口座に戻さずに着服していた例もあったという。
19年度と同様に単独で会計処理を担当していた18年度と、複数人で担当していた17年度の帳簿類は服部教頭がすでに廃棄し、横領は確認できていないが、服部教頭は18年度にも私的流用があったと認めているという。
市教委は横領罪での告発も視野に、育友会と相談の上、対応を検討している。