和歌山県警は19日、和歌山市北島の紀の川堤防沿いの道路に放置されていた軽乗用車のトランクと付近の川の中から、切断された遺体の一部が入った二つのキャリーケースが見つかったと発表した。
河口付近では18日午前7時ごろ、中年男性の遺体が浮いているのが見つかっており、乗用車に残された運転免許証の顔写真が遺体の男性と似ていることから、県警は死体遺棄事件との関連を慎重に調べている。
和歌山西署によると、18日午前7時10分ごろ、釣り人から「人がうつ伏せで流れている」と同署に通報があった。現場は、紀の川河口部にある青岸クリーンセンター(同市湊)の北側周辺。
駆け付けた警察官が、上下とも黒色の長袖シャツとスパッツを着用した中年男性の遺体を発見した。靴下や靴は履いておらず、所持品もなかった。
遺体に目立った外傷はなく、県警が身元の捜査を進めていた同日午後5時35分ごろ、河西橋付近の工事関係者の男性から放置車両に関する通報が入った。
通報者によると、車両は同橋北詰から西に約50㍍の堤防沿いの県道に、少なくとも同日午前4時ごろから止まっていたとみられる。
車両は市内の業者が所有するレンタカーで、施錠はされておらず、トランク内から血液などが付着した黒色のキャリーケース1個が見つかった。
さらに、同橋の中央付近の橋脚上で赤色のキャリーケース1個が見つかり、19日午前11時30分ごろ、中身が切断された遺体の一部であることが判明した。

遺体が入ったキャリーケースが見つかった河西橋付近