和歌山市の雑賀崎漁港で遊説前の岸田文雄首相に向けて爆発物が投げ込まれた事件で、威力業務妨害容疑で現行犯逮捕された木村隆二容疑者（２４）が所持していたリュックサックの中から、液体が入った水筒や粉末入りの小瓶、ライターなどが見つかったことが分かった。県警は粉末や液体の成分鑑定などを進め、爆発物との関連を調べる。
県警によると、他にリュックに入っていたのは、金属板（３０×３０㌢、厚さ約２㍉）、スプーン１個など。兵庫県川西市の木村容疑者宅の家宅捜索では、火薬とみられる粉末や金属製の筒、工具類が押収された。県警は自宅で爆発物を自作した疑いもあるとみている。
また、県警が現場周辺を調べたところ、爆発したとみられる銀色の筒状の物が約４０㍍離れた、いけすの網の上で見つかった。
木村容疑者が取り押さえられた時に手に持っていた、押収された未使用の筒状の物については、県警が１７日、和歌山市加太のコスモパーク加太地内で安全化するための処置を行った。今後、構造や殺傷能力の有無を調べるという。
木村容疑者は１５日の逮捕当初、「弁護士が来てから話す」としていたが、その後、雑談にも応じず、黙秘を続けている。