ことし1月、和歌山市の紀の川沿いの堤防などでキャリーケースから女性の切断された遺体が発見された死体遺棄事件で、県警は23日、現場の下流から水死体で見つかった同市井辺の会社経営、中谷順彦容疑者(当時59)を殺人と死体損壊、同遺棄の容疑で書類送検した。
同事件は1月18日、同市北島の紀の川右岸堤防道路に止められた軽乗用車内と河西橋の下の2個のキャリーケースの中から、同市井辺の職業不詳、平柳奈都弥さん(当時38)の切断された遺体が見つかったもの。
県警によると、中谷容疑者は1月14日ごろから同16日までの間、交際関係にあり、同居していた平柳さんを自宅で窒息させて殺害し、同17日までの間に包丁やのこぎりなどで遺体を切断して損壊した上、キャリーケース2個に入れて遺棄した疑い。
中谷容疑者の携帯電話の記録の解析などから、平柳さんとの間に何らかのトラブルがあったとみられている。
キャリーケースは同17日に県内のディスカウントストアで中谷容疑者が購入したとみられ、軽乗用車内の黒のケースには包丁やのこぎり、コンクリート製のレンガ3個などが入っており、河西橋下に投棄された赤のケースのハンドル部分には、コンクリート製のブロックがワイヤーで結び付けられていたという。
周辺の防犯カメラの映像には、中谷容疑者とみられる人物が橋の上で作業をしているような様子、その後に川を泳いでいるような姿が映っていたことなどから、県警は中谷容疑者が自殺した可能性は低いとの見方を示した。