4月に和歌山市の雑賀崎漁港で遊説中の岸田文雄首相の近くに爆発物が投げ込まれた事件で、威力業務妨害容疑などで逮捕された兵庫県川西市の無職、木村隆二容疑者(24)の鑑定留置が1日に終了し、同日、身柄が和歌山西署に移された。
県警は8月31日、殺人未遂や爆発物取締罰則違反、公職選挙法違反などの容疑で木村容疑者を追送検している。和歌山地検は鑑定結果などを踏まえ、勾留期限の6日にも木村容疑者の刑事処分を決めるとみられる。
木村容疑者を乗せた車は大阪市の大阪拘置所を出発し、午後3時50分ごろに同署に到着した。木村容疑者は白いマスクを着け、黒っぽいフードを深くかぶっており、表情をうかがうことはできなかった。
木村容疑者は事件発生直後に威力業務妨害容疑で現行犯逮捕され、5月6日には火薬類取締法違反容疑で再逮捕された。地検は刑事責任能力について判断するため、5月下旬から鑑定留置を実施し、精神科医ら専門家が事件当時の精神状態などを調べていた。

和歌山西署に移送される木村容疑者