太陽光が凹面鏡などによって反射・屈折して一点に集まることで起こる「収(しゅう)れん火災」が連続して発生し、和歌山市消防局は注意を呼び掛けている。同火災による通報は、11年ぶりという。
同消防局予防課によると、ことし11月29日には座布団3枚、12月15日には、革製のかばんが焼ける住居内での収れん火災が発生した。共にぼやで、大きな被害にはならなかったが、付近に燃えやすい物があった場合には、燃え広がった可能性もあった。
両火災ともに、直射日光が当たる場所に、卓上鏡が置いてあった。凹面鏡は、太陽光を集束させて反射させる性質があり、鏡の角度や可燃物との距離などの条件などが重なった際、発火につながる恐れがある。最近では100円ショップなどで手軽に購入できる。
同消防は、収れん火災の再現実験を実施。開始10秒ほどで反射した光が当たった部分から煙が出るなど、瞬時に高温になることが確認された。温度を測定すると5分ほどで700度まで到達。煙付近に新聞紙を乗せて息で風を送ると発火に至った。
同火災が冬場に発生しやすい原因として、夏場などよりも冬場の方が太陽の位置が低く、光が部屋の奥まで差し込みやすいことが挙げられるという。凹面鏡の他にも、ステンレスボールや花瓶、金魚鉢、水晶玉、ペットボトル、吸盤などでも火災になる恐れがあるという。